iforceコラム

インフォメーションタスクフォースの事業を通じて感じた事や社員の皆様へのメッセージなど
 

昨年の忘年会や社内の集まりでもお話ししましたが、今年は「第二の創業」元年と位置づけて考えています。

コンセプトは「皆さん社員が創業者」です。

これから新しく始めるプロジェクトや社内運用の整備についても、私たち経営陣がもちろん責任者ではありますが、実際に考え、実際に形にしていただくのは、経営者ではなく皆さん自身であってほしいと考えています。


既に、何人ものスタッフが集結しつつありますが、改めて私と皆さんとの関係を考えると、とても不思議なご縁を感じます。

たまたま私が関わった過去のプロジェクトで知り合った方もいらっしゃいますし、趣味のダイビングがきっかけで知り合った方もいます。

ここでは詳しくは書きませんが、ご縁というものは本当に不思議なものだと、改めて感じさせられました。


以前にもこの「今月の一言」で昨年亡くなられたアップル社創業者のスティーブ・ジョブズ氏のスタンフォード大学でのスピーチの内容について書きましたが、前記した人とのご縁については、まさに彼が言うところの「点と点が繋がる」という感覚があります。


2005年スタンフォード大学卒業式でのSteve Jobsのスピーチ

『1つの例を申し上げましょう。Reed大学は当時、国内では最高の書美術教育を提供していました。キャンパス内のあらゆるポスター、各戸棚に貼るラベルに至るまでが美しく手書きされていました。

退学して通常授業は受けられないため、書美術をいかに習得するかを学習する授業を取ることに決めました。セリフ(欧文活字書体のひげ飾り)やサンセリフの書体、活字の組み合わせの字間調整、素晴らしいフォント(印刷活字)の作り方などを勉強しました。

それは美しく、歴史的で、科学では捉えられない芸術的に繊細なもので、非常に魅力的だと分かったのです。こうしたことは、私の人生の中で実際に何かに応用できるというものではありませんでした。


しかし10年後、我々が初のMacintosh コンピューターを設計する時、それがよみがえってきたのです。

我々たちは、全てをMacに組み込みました。

それは、美しいフォントを有する初めてのコンピューターでした。もし大学でこのコースに寄り道していなければ、Macは複数書体や字間調整フォントを持ち得なかったでしょう。

またWindowsは単にMacをコピーしただけなので、どのパソコンもそうした書体やフォントを搭載していなかったはずです。

もし退学していなければ、この書美術の授業をを受けていなかったでしょうし、パソコンも今あるように素晴らしいフォントを搭載していなかったかもしれません。


もちろん大学にいた頃は、先を見据えて点と点を結ぶことは不可能でした。しかしそれは、10年後に振り返ってみると非常にはっきりと分かります。


もう一度言います。あなた方は先を見て点と点を結びつけることは出来ないけれども、過去を振り返るとそれらをつなげることが出来るのです。


だからあなた方は、将来点同士が何らかの形でつながることを信じなければなりません。

自分の根性、運命、人生、カルマ、何でも良いですがとにかく信じること。

このやり方が私を裏切ったことはなく、私の人生では効果てきめんなのです。』




私自身もこれまで過ごしてきた自分の人生を振り返ると、その時は無駄なこと、無意味なことと、あるいは、とても嫌なことだと感じたことでも、今になって考えてみれば、その経験をしてきたことで今があり、そして将来をイメージすることができるのもこれらの経験をしてきたからなのだと実感することができます。

そう思えた瞬間から妙に、人生って楽しいなぁと感じました(笑。 皆さん自身にもそのように思われた経験があるのではないでしょうか。

もし、ピンとこないな...と感じられましたら、ジョブズ氏が言ったように、自分をもっと信じて、今の自分に夢中になって生きてみる工夫を考えられてはいかがでしょうか。



新年あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。


振り返ってみれば、昨年の2011年という年は忘れることができないたくさんの事が起きた年でした。

皆さんの記憶にもあるように3月11日に発生した東北大震災は、被災した方々はもちろん、私たち全ての日本人にとって忘れることができない出来事でした。直接的な被害にあわれた方は約2万人といわれ、第二次大戦以降に発生した最も深刻な事件であり、自然災害でした。この災害に関して、この「今月の一言」でも何度か書かせていただいておりますが、災害からの早期復興はもちろん重要なことなのですが、私が強く主張したいのは、今、この瞬間に生き残って「生かされている」我々が何を感じ、何をしようとしているのかが最も重要なことなのではないかということです。

霊峰富士

改めて書くまでもなく、人間は自然を前に全くもって小さな存在であり、無力な生き物です。人類が「地球人」としてこの星に君臨し、いつの間にか生態系の頂点に居座るようになってから約600万年の間、この星の自然に支えられて生きてきました。私はもちろん、この文章をお読みいただいている皆さんも、その600万年のヒトの歴史の間違いなく末裔であり、あるいは地球の全て、さらには宇宙、この次元の全てに支えられてきたことで存在することが許されているのです。

今回の東北大震災では、地球規模からみれば、ちょっと寝返りをうった程度の変異だったかもしれませんが、テレビ映像で報道された、あの津波の威力を思い出すと、人間というものの小ささ、命のはかなさというものを感じざるを得ません。災害にあわれてお亡くなりになられた方々は、天国にのぼられてどのようにお感じになられているでしょうか。

 私は今回の災害について、日本人が気付かなくてはならないいくつかの重要なミッションがあると感じました。そのミッションは、自分自身の利益のためではなく、日本という国家のためでもなく、あえて大きく表現すれば地球規模での「意識改革」です。


皆さんもご存じのとおり、日本は世界で唯一の被爆国であります。第二次世界大戦で長崎、広島に投下された原子爆弾は、現在でもその惨状が語り継がれるほどの悲惨な事件でありました。この原爆投下によって日本人が得たものはいったいなんだったのでしょうか。長い時間をかけて日本人は、何を学んできたのでしょうか。世界で唯一、核の恐ろしさを体験する民族でありながら、福島原発の事故発生によって自ら過ちを繰り返してしまっており、その後の復興状況を見ても、全国に稼働中の原子力発電所は、今日現在でも50基以上あるといわれています。アメリカ合衆国ではせいぜい100基程度といわれていますから、いかに日本が原子力発電に力を入れてきたかが分かります。戦後の高度成長を支えたエネルギー源が原子力であり、日本のメーカーも原子力産業によって発展してきたのです。本来は、核廃絶に関し、日本が世界をリードして訴え続けなければならなかった立場であったのにも拘わらず、実際には自ら推進してきてしまったのです。 


話は変わりますが、私は趣味でスキューバダイビングをするというお話を何度か書かせていただきました。海に潜って海洋生物の写真を撮影し、自宅でその写真を見ながらその生物の特徴や習性について調べることがとても面白いのです。時折、海洋生物の写真を見て不思議に感じることがあります。多くの海洋生物は、姿形、あるいは表皮の色彩や紋様をその生物の生活環境や生態に合わせて最適化されるように進化してきました。

ゴンズイ 権瑞 Plotosus japonicus

つまり、海底でじっと姿を隠しながら小魚を捕食しようとするヒラメやカサゴなどは、海底の砂地に溶け込むような色彩をしていたり、あるいは岩礁にそっくりなごつごつした姿をしています。水面で群れを成すイワシのような小魚は、水の色に溶け込んで、天敵達に見つかりにくいように、表皮が鏡のように銀色に輝いています。あるいは敵から身を守るために、毒を持つ生物は、ゴンズイやヒョウモンダコのように、いかにも危険をアピールする黄色と黒の縞模様だったりします。



シロオビハナダイ Pseudanthias leucozonus

ところが、一部の生物は、そういう生物の最適化とは違った観点で進化してきたのではないかと思えるような色彩をしているのです。たとえばハナダイの仲間は、ピンクや白、黄色、エメラルドグリーン、紫といった極めて鮮やかな色を何色もまっとっています。多くのウミウシの仲間は、さらに複雑な紋様、色彩をまとっています。

これらの魚やウミウシなどの海洋生物は、どうしてこんなに艶やかで美しいのか、あきらかに保護色ではなく、生態に役に立つとも思えないような色合いをしているのです。そしてこれらの不思議な生物たちは、魚類、軟体動物、刺胞動物など、分類学上も様々で、決して共通点がないのですが、ある事が唯一の共通点として存在するのではないかと私には思えるのです。その唯一の共通点とは、「人間が見て美しいと感じる色彩を持っている」という事なのです。


つまり、多くの地球上の生物たちは天敵から身を守るために進化をしてきたのですが、ここでいう色鮮やかな海洋生物たちは、人間を意識して進化してきたと考えることはできないか?ということを感じるのです。しかも、人間が文明を発展させ、スキューバダイビングという技術を身に着けるこの数十年間をあたかも知っていたかのように進化してきたのではないかと・・・。


センヒメウミウシ Aegires villosus

私は、ダイバー仲間に、「ウミウシは天使である」と話すことがあります。

ウミウシという生物は、貝の仲間で外見はナメクジのような姿をしていますが、非常に艶やかな色彩を持ち、その種類も600種以上もあるという不思議な生物です。釣りや漁網で捕獲される魚と違い、人間がスキューバダイビングという技術を身に着けたことで、新たに発見された種がほとんどで、その生態はまだまだ未知の部分が多く、謎に満ちています。

しかし、デジタルカメラで撮影をすると非常に色艶やかで、それを見た人間は海の素晴らしさ、自然の偉大さを感じるのです。進化の理屈だけでは解明できない生命の不思議に接するとき、もしかしたら地球が我々にメッセージを伝えるために進化してきたのではないのか?と思うのです。そのことが、天使であると考えた理由です。 


地震の発生は、太陽活動の急激な変異による太陽風電磁波が一つの原因ではないかと研究されているそうですが、皆さんもご存じのとおり、我々の生活する自然環境は、地球を覆う電離層によって太陽風のプラズマから保護されています。しかしその電離層も、地球環境の悪化によって破壊されつつあり、急激な環境変化の原因になっているとも言われています。

つまり先の原発事故を契機に、我々は気が付かなければならないのです。もうこれ以上、地球環境に悪影響を与えるような文明は自殺行為なのだという事を。

そして、本来であれば70年前に被爆経験をした日本人が、真っ先に核廃絶を訴え、核を用いなくとも効率的にエネルギーを生み出す技術を研究すべきだったのです。


日本人は、ミトコンドリアDNA解析による系統分析によれば、地球上でもっとも古い民族の一つだそうです。

約10万年前にアフリカで誕生したヒトは、6万年ほど前にヨーロッパ系とアジア系に分かれるのですが、日本民族はその時代にすでに存在していたと考えられ、その後、多民族化を排除し続けている稀な民族です。

何が言いたいのかというと、日本人の誰もがアメリカ人や西洋人に対してコンプレックスを持っているのですが、実は、最も古くから地球のお世話になっているのは、我々日本人であり、我々こそが、リーダーシップをとって地球環境悪化に歯止めをかける運動をすべき義務のある民族なのだということです。


海に潜ってウミウシを見つめていると、そんなメッセージを訴えられているような気になります(笑。 


2011年は弊社にとっても重要な一年でした。創業して満10年目であるとともに、それまでの事業形態も、徐々に改革が進み、ようやく新たな提案型開発の事業が軌道に乗ってきた年でした。弊社がお客様にご提案を持ち込み、全く新しいサービスや製品となって社会に放出していくという事業は、ただ単に「仕事ないですか?営業」ではない楽しさとやりがいを生み出します。来年2012年は、「新たな創業の年」と考えたいと思っています。方針としては以下の通りです。



【新たな創業に際しての事業指針】

  • 提案型システム開発受託事業を拡大させる
  • その為のノウハウ蓄積や人脈作りは派遣事業を通じて培う
  • これらの事業を通じて得た利益や技術は、新たな自社事業構築に投資する
  • 自社事業は社会貢献を究極の目的としたものでなければならない
  • 地球環境保護に役立つ研究開発を開始する



上記のような方針で新たな創業を皆さんと一緒に目指していきたいと考えています。

ここでいう自社事業の具体化が特に重要なポイントです。「新たな創業」を成功に導くポイントは、事業方針の具現化を我々経営陣が行うのではなく、社員のみなさんが積極的に推進いただいてはじめて実現できるものだと思うのです。そしてそれは、社会のために役に立つ事業でなければなりません。


「新たな創業」では、皆さん自身が創業者となり、皆さんが主役なのです。


2012年、当社は皆さんの手によって新たに生まれ変わります。

皆さんの知恵と力を結集して「新たな創業」を成功させましょう。



皆さんお疲れ様です。

10月も残り数日となって、めっきりと秋の空気になってきましたね。


私は仕事の予定がない週末には、海にダイビングを楽しみに行くのですが、海の中では陸上よりも四季の移り変わりがワンテンポ遅く、まさに今頃が真夏です。海中の明るさや水温もこの季節が最も夏らしく、季節来遊魚と呼ばれる夏にしか現れない生物たちも、この10月~11月がもっとも多い、まさに夏盛りなのです。しかし、海中とは違い陸上では、朝晩の冷え込みは、これから日を追うごとに急速に強くなりますから、体調など崩さないよう健康管理を十分に行ってください。 


さて、今月の一言に選んだ言葉は、「最後にもうひとつ」という言葉です。


この言葉は、2011年10月5日、膵臓腫瘍により他界されたApple社のCEO スティーブ・ジョブズ氏の言葉です。ジョブズ氏の功績については、ここで説明するまでもなく、まさに近代のIT技術の分野において人類に最も貢献した人物の一人であるということができます。「最後にもうひとつ」という言葉は、彼が演説を行う際に、いつも癖のように使用していた言葉として知られています。 ジョブズの仕事上の功績は、彼だけの能力で成り立ったのではなく、彼を取り囲む優秀な技術者たちによって支えられたものでした。


しかし、彼をよく知る技術者たちに言わせてみれば、彼は「放漫で、暴虐で、激しく、無い物ねだりの完全主義者で、未成熟で、かよわく、感じやすく、傷つきやすく、精力的で、構想力があり、カリスマ的で、さらにおおむねは強情で、譲らず、まったく我慢のならない男」だそうです。相当数の技術者が彼の放漫さに我慢できず、離れていったとも伝えられています。


 しかし、彼の別の発言からは、想像とは全く異なる別の姿が思い浮かべられます。その発言とは、以下のようなものです。


知っていると思いますが、私たちは自分たちの食べる食べ物のほとんどを作ってはいません。

私たちは他人の作った服を着て、他人のつくった言葉をしゃべり、他人が創造した数学を使っています。

何が言いたいかというと、私たちは常に何かを受け取っているということです。

そしてその人間の経験と知識の泉に "何かをお返しができる"ような物を作るのは、すばらしい気分です。


要するに彼は、この世に生を受けてから、ほとんど99%の物は自分で作り出したものではなく、与えられたものである。したがって、生きるということは、与えられて生かされたことへの感謝であり、自分の人生を通じて学んできた経験や知識をお返しすることが目的である...という事を言っているのです。 


実に素晴らしい考え方であり、私自身も常日頃、こうありたいと願っている思想そのものでした。


この考え方は、企業に置き換えてみても同様のことが言えます。企業というものは、もちろん企業そのものが存続することが大切ではありますが、その目的とは、まずは多くの雇用を生み出すことによって社会の基盤を作り、共に切磋琢磨する社員一人一人の生活を支え、互いに精神を磨き合うことが究極の目的であるといえます。


しかし、生きている以上、周囲から与えられることで存続しているわけで、自社だけで存続できるような企業などどこにもありません。そういった考えを突き詰めていくと、ジョブズが言うように「何かをお返しする」という精神が必要不可欠だと思います。


 皆さんは、「フランダースの犬 完結版 [DVD] 」、「あらいぐまラスカル 完結版 [DVD] 」、「母をたずねて三千里 完結版 [DVD] 」といったアニメ番組があったのを覚えておられることでしょう。

これら、日本人なら誰でも知っているであろうアニメ番組は、当時「カルピス子供劇場」という名前で放映され、いずれも20%以上という高視聴率を獲得した名作アニメです。現代日本人ならそれぞれの番組のワンシーンや主題歌が心に焼き付いており、思わず思い出しながら涙してしまうほどの影響力がありました。

これらの番組は、原作の素晴らしさもさることながら、商品広告という企業活動の枠を抜き出て、ジョブズの言うところの「何かをお返しする」という精神が形になって表れているのだと思うのです。 


 また、最近では、エステー株式会社という会社(芳香剤で有名)が、「空気をより良くしたい」という社の指標に従って、「エアカウンター」という家庭用放射線測定器を発売しました。

この活動もビジネスの一環ではあるものの、人間の健康は空気からというモットーに対して、「何かをお返しする」活動ではないかと思います。 私たちもIT技術を使用していろいろなサービス開発、製品開発を行ってきました。


私や当社を支えてくれた社会に対して「何かをお返しする」という精神を忘れてはなりません。


私自身が今後、現場の第一線で働ける時間は、それほど多くはないかもしれませんが、その精神をもっと強めて活動していけたらと思っております。そして将来、私がリタイヤする頃には、皆さんが皆さん自身の考え方で、「何かをお返しする」活動を引き継いでいただけたら幸いです。 


ジョブズの親友であったソフトバンクの孫正義氏によれば、彼があと20年、30年、生きてたとしたら、プレゼンテーションの終わりに「最後にもう一つ。皆さんにお見せしたい新しいものがある。・・・iロボット。」と言ったであろうと話されたそうです。(NHK クローズアップ現代より



皆さんお疲れ様です。9月ももう月末となり秋風が意識できるようになりました。しかしまだまだ日中の蒸し暑さも厳しく、これから日中と、朝晩の温度差が大きくなる日が増えますので、体調を崩さないように注意してください。

さて、9月11日の前後には、10年前のアメリカ同時多発テロ事件に関する報道が多くなされていました。また、3月11日の東北大震災から丁度、半年が経過したことで、防災に関するイベントが多く行われておりました。

その中で、NHKが放映した「歴史秘話ヒストリア」という番組で、今村 明恒(いまむら あきつね)という明治から昭和初期に活躍された地震学者の方のドキュメンタリーを放映しておりました。 


今村先生は、1896年に発生した「明治三陸沖地震」を経験し、日本史に記録されている役2000もの大地震の記録を分析し、100年周期で関東地方に大震災が起きていると発見、50年以内に東京での大震災が起きると予知された方です。

「ホラ吹きの今村」と呼ばれながらも、大地震が発生したときの対策方法を国民に対して説き歩き、実際に関東大震災が1923年に発生した際には、功労者として「地震の神様」と湛えられるようになったそうです。 ところが、その後日本は昭和の動乱期を迎え、人々は地震に関心を持たなくなってしまったそうです。

しかし、今村は私財を全て投じて全国に地震観測所を自力で設置し、その後も研究を続けた結果、東南海地方に大地震発生の予兆があることを発見。直ちに、政府に対し警戒を強めるよう申し出たそうです。しかし、大日本帝国の拡大に躍起だった日本政府は、そのような声に耳を傾けるはずもなく、なんの手だてもしなかったとの事でした。

 しかし、そんなことにもめげず、今村は当時の小学校教科書に地震発生時の心構えや対応について記載し、いざという時の為の知識を広めるべきだと主張したのです。そして、小学校教科書に掲載されたのが、1854年の安政南海地震でのエピソードを基に、小泉八雲が書いた「A Living God稲むらの火」だったのでした。


 「稲むらの火」の概要を紹介します。 村の高台に住む庄屋の五兵衛という者がおり、地震の揺れを感じたあと、海水が沖合へ退いていくのを見て津波の来襲に気付く。祭りの準備に心奪われている村人たちに危険を知らせるため、五兵衛は自分の田にある刈り取ったばかりの稲の束(稲むら)に松明で火をつけた。火事と見て、消火のために高台に集まった村人たちの眼下で、津波は猛威を振るう。五兵衛の機転と犠牲的精神によって村人たちはみな津波から守られた。 ...というストーリーでした。 


この教科書の内容を小学生が読み、先生が、「地震が来たら高台に逃げる」という原則を教えたのだそうです。しかし、実際には、1944年。終戦直前に東南海地震が発生。1946年には南海地震が発生し、合わせて2500名以上の死者・不明者が発生してしまったのです。このニュースをラジオで聞いて、今村博士は愕然としたそうです。今までの苦労は何も成果を生まなかったのかと...。


この地震発生の1年後、今村博士は他界してしまうのですが、その後の調査で、実は高知県の町役場から今村博士宛に感謝の手紙が届いていたことが発見されたのだそうです。その手紙には、「先生の教え通り、地震の後、皆で高台に逃げたことで、津波で命を落としたものは一人もいなかった。ありがとうございました。」と...。 


神武天皇即位から数えて、西暦2011年は皇紀2671年と言われますが、その間、2000回もの大地震が記録されているのです。


日本という国は地震と共生して生きていかなくてはならないのです。そのためには、何か月、何年、経とうとも、3月11日の出来事を忘れてはいけません。そして、自然災害ではなく、明らかに人災である福島原発事故を忘れてはいけません。


日本人である以上、地震や津波に関しては、世界中の誰よりも知識を持ち、被害を最小限に食い止める技術や知識を身に着けなければなりません。 私は今、放射線線量計センサーのシステムを企画しております。現実のものになるかどうかは分かりませんし、当社だけの力では到底、実現はできない大きなシステムになる予定です。


もしこの提案が、日本の政府やあるいは大企業がバックアップし、そして地域の個人個人が意識を持って参加してくれれば、日本人が犯してしまった大罪=原子力開発に対する稚拙な歴史を少しでも人類の未来に役立てることができるかもしれないと考えて企画しました。


私には、今村博士のように地震測候所をネットワーク化するような財力もありませんが、このNHKのドキュメンタリー番組を見て、今の自分の気持ちがとても昂るのを感じました。 私欲を滅して大衆の為に活動する精神...矛盾するようですが、実は企業価値も同じ場所にあるのではないかと考えています。私も今村博士のように生きてみたいと強く思います。


2012年2月

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