NTT伝送システム研究開発経験者,槇一光のブログ

若者の方々への最近のブログ記事

感謝の心を持つ

プロジェクトの成功は人の和の力に感謝

プロジェクトが成功するためには、プロジェクトに関わるすべての人が各々の持ち場で力をあわせて仕事をしなければなりません。プロジェクトの成功はプロジェクトリーダーの力だけでは成しえないもので、プロジェクトメンバーの力を結集する人の和があって初めてできるものです。リーダーはメンバーに、メンバーはリーダーに感謝する心を持つことが大事です。

 

仕事を与えられた環境に感謝

会社に帰属して仕事をやる以上、会社から与えられた環境の中でしか仕事は出来ません。ここで言う環境とは、仕事そのものを与えられる、即ちあるプロジェクトに参画できることを言います。やりがいのあるプロジェクトに参画できるか否かは、フリーランスでない限り自分では選べません。 もうひとつ言うと、開発プロジェクトにおいてリーダーが最も力をいれなければならないことは、仕事の環境を整えメンバーが働きやすくすることです。ここでいう環境は、作業環境や設備そして人的リソースや必要な経費の確保などをいいます。これらを整えてくれたリーダーにも感謝の心を持ちましょう。

 

長く付き合える仲間に感謝

やりがいのある仕事を一緒にやった仲間は、その仕事が終わった後も長く付き合うことができます。仕事をやっているときは、なんでこんな大変な思いをしてまで仕事をやらなければならないのかと思ったとしても、その仕事が成功裏に終われば、「あの時は大変だったけど一緒に仕事をしてよかったですね!」と言い合える仲間になります。この長く付き合える仲間にも感謝しましょう。

技術が成熟しつつある時

実用化にはタイミングが肝心です。ここで言う実用化とは、研究の成果を世の中で使える具体的な物に仕上げることを言います。技術が成熟しつつある時とは、例えばLSIの規模や動作速度がシステムから要求される高度な仕様にぎりぎり合いそうになってきている時とか、光ファイバが安く大量製造できるようになってきている時を言います。要するに、開発しようとするシステムに採用可能な技術が出揃ってきた時のことです。それから、社会の要請といいますか、大義名分があるとき、それから、技術とか技術者、そういうものに勢いがあるとき。技術者のいる集団ということでいいと思います。そういうときに大きなシステムの開発が成功するのだと思います。

 

 

社会の要請(大義名分)がある時

大義名分というのは、新しいものに対する期待ということです。昔、新しい通信システムの開発をやるときに何を言われたかというと、古い通信システムは価格が高い、システムを設置する床面積が広く邪魔、扱いにくいと言われ、この三悪を解消せよという要請がありました。他でも述べますが、現状が悪いほど新システムの付加価値は高くなります。

 

技術(者)に勢いがある時

これは実用化だけではないですけれども、技術者とか、ある技術に勢いがあるときというのは、仕事をやっていて非常に楽しく充実しています。それは、経験して後から見てみると、いやあのときは大変だったけどおもしろかったということになって、そういうときの仲間というのは、あとずっと良いつき合いができます。

この技術とか技術者に勢いがあるということは非常に大事なことであります。実用化ですから、突然何かできるということはなかなかなくて、そこまできちんと技術をだれかが育ててくれていたからできるのです。

以上に述べた3点がそろったタイミングで「大きなシステムの開発が成功する」のだと思います。

 

ビジョン、目的を共有する

これは、開発プロジェクトにとっては基本中の基本ですが、組織の中央の開発リーダーのお膝元のメンバーには徹底できても、大きなプロジェクトで分散開発を行う地方組織のメンバーに同じ意識を持ってもらうためにはリーダーとして大きな努力が必要です。人間は面白いもので、所属する組織が権力の中枢から物理的距離が離れれば離れるほど所属する人間の緊張感が薄くなるものです。リーダーと、週に1回顔を合わせて打合せするメンバーと3ヶ月あるいは6ヶ月に1回しかリーダーと顔を合わせることのないメンバーでは、リーダーから伝わる情報の量が違います。もちろん、テレビ会議や電話会議をつかって日頃の打合せを行ないますが、Face to Faceに勝るものはありません。

 

仕事の分担のインタフェースを明確に

分散開発プロジェクトを成功に導くためには、各々の開発組織が分担する仕事間のインタフェースを明確にしておくことが大切です。大枠は問題なくても、細部になると、これは相手がやってくれるだろうと思っていた仕事が、相手方も同じく相手がやってくれるだろうと思っていることが起きます。インタフェース仕様は、なかなか全てを書ききるのは難しいのですが、疑義があったらお互いに確かめ合う習慣をつけることが大切です。

 

開発リーダーは分散開発拠点に直接出向く機会を沢山作る

これは、上に述べたビジョン・目的を共有するためには必須のことです。リーダーは分散開発拠点のプロジェクトメンバーに直接語りかけることが重要で、自分たちのプロジェクトの話だけではなく、地方にいると聞けない本社の生々しい話もすると興味を持って聞いてくれます。 私は、中央1箇所で地方の分散開発拠点が北海道、東北、関西、九州と4箇所の開発プロジェクトを管理した経験があります。これらの分散開発拠点4箇所を年に3回訪れることをメンバーに約束しこれを果たしましたが、結構な稼動でした。ただ、地方に行けば、食べ物もお酒もおいしいですし、メンバーと共にアフター5を楽しむこともできて、よい経験になりました。

 

リーダーは自信にあふれていること

開発プロジェクトを引っ張るリーダーの態度は、そのプロジェクトの成否に大きく関わります。リーダーが自信なさそうで、何を聞いてもはっきり答えてくれなかったらプロジェクトのメンバーの心は離れていって、そのプロジェクトは失敗に終わるでしょう。リーダーが自信を持ってプロジェクトを管理し、顧客対応も開発の専門家としてきちんとやれば、プロジェクトメンバーの仕事のやる気はいやでも高まるでしょう。

 

俺がやるんだから大丈夫!

数多くのプロジェクトを成功に導いてきたリーダーは、新しいプロジェクトに対しても「俺がやるんだから大丈夫!」ということをプロジェクトメンバーに宣言します。特に、混乱したプロジェクトの立て直しの場合には、プロジェクトの先行きに不安をもっていたメンバーたちに安心感を与え、仕事に前向きに取組もうという意欲を高めます。

 

クリティカルパスを予測し先手を取る

開発プロジェクトのリーダーの重要な仕事のひとつは、クリティカルパスを予測し先手を取ることです。プロジェクト全体が順調に進んでいるときは見えないクリティカルパスが、プロジェクトの一部に遅れがでると突然浮かび上がります。リーダーはこれを予測し、人的リソースの手当てなどの対策を先手、先手で打つことでプロジェクトを成功に導くのです。

 

何が起きても驚かない

開発プロジェクトでは、思いもよらない突発事象が生じることがあります。メンバーが右往左往しているときに、リーダーは泰然自若の態度で事にあたることが必要です。このような突発事象に対して、経験豊かなリーダーは技術的直感が働いて事象の原因の推測ができることが多くあります。原因の推測ができなくても。原因を突き止めるための切り分け方法はすぐにリーダーの頭には浮かび上がります。

 

技術の先を読むには

自分を中心に世の中はまわらない

技術の先を読むためには世の中を広く見ることが必要になります。これは、技術動向だけを見ていれば良いのではなく、社会状況や経済状況の変化も含めて見る必要があります。自分が持っている技術で十分と思っていると、突然、外部条件が変わって自分が持っていた技術が陳腐化してしまうことも起きます。要するに、自分を中心に世の中はまわらないのです。

 

時流を読み、時流に乗る

繰り返しになりますが、世の中の流れを読むことは、今後どんなシステムを作ればよいか、それにはどんな技術が使えるかということを読むということです。日本の携帯電話は独自の高度化を遂げて、ガラパゴス状態だといわれてきましたが、ここにきて世界の動きが変わり始め、インターネットアクセスできる携帯電話が世界各地で普及し始めています。時流は変わるのです。ただ、日本の携帯電話機メーカーさんがこの世界の時流に乗れるかどうかは疑問が残ります。時流に乗れれば商売としてうまくいくことになります。

 

世の中で広く使われているものを使う

世の中で広く使われているものは、時流に乗っているものであり、大量に安く供給されます。そこに使われる技術は、技術として成熟したものでありやがてコモディティ化して誰でもが使えるものになります。システムに使う技術は、特殊なものよりは世の中で広く使われているもののほうが、作ってくれる企業もサポートしてくれる企業も多くてよいといえます。ただし、システムに何らかの付加価値をデザインなりブランドなりでつけないと埋没してしまいます。

 

成功体験が大切

良いシステム開発に従事して、それが成功体験に終わると人は育ちます。開発に従事しているときは、何でこんなに大変な仕事をしなければならないのかと思っていても、プロジェクトが成功裏に終わると、自分も今までとは少し違った人間になったような気になります。これは、気になるだけでなく、新しい仕事に取組んでみれば自分の成長が実感できると思います。

 

達成感が次の仕事の意欲を高める

成功体験は、達成感につながり、達成感は次の仕事の意欲を高めます。前の仕事であれだけのことが出来たのだからという自信が、次の仕事に活きてくるわけです。達成感は、やって良かったという満足感ともいえるもので、技術者として開発に携わった喜びにも通じます。

 

プラス思考が生む Positive Feedback

プラス思考が生むポジティブ・フィードバックをかけていく。これは、うまく言った経験を持つ人は、新しい仕事に対し、また成功させてやろうとポジティブに考えることができるということです。前のプロジェクトが失敗していると次のプロジェクトも失敗するのではないかとネガティブになることの反対です。私は、仕事はいやいややるのも前向きにやるのも、同じ時間をかけるのならば前向きに、ポジティブにするのが良いと思っています。

 

人を知り、人を使え

  • 個人の知識は有限
  • 誰が何を知っているかを知る
  • 恥ずかしがらずに聞くこと

 

これからシステム開発技術者を目指す若い人に対して「人を知り、人を使え」というとちょっと不遜な態度をとれといっているように聞こえるかもしれませんが、個人が保有する知識は有限なので他人が持っている知識を活用する手段を身につけることをお勧めしたくてこのような表現をしました。

 

他人の知識や考え方を自分のものにするための最も簡単な手段は、恥ずかしがらずに質問することです。日本においては、職場全体の仕事の効率を上げる事を第一に考えていますから、若い人の質問に対してはほとんどの人が親切に答えてくれます。逆にいうと、質問をしないとすべて分かっているものとして扱われてしまいます。

 

質問をするときに、誰に聞くかという事も大事な事です。始めは身近な人に質問をすることになりますが、直接尋ねた人が「そのことなら○○さんに聞いてごらん」というようにあることの専門家を教えてくれるようになります。この誰が何を知っているかというインデックスを自分で作る事が「人を知り、人を使え」ということの真髄になると思います。先輩を含めたお友達作りが「人を知り、人を使え」ということなのです。

若さは力

覚えたことが身になる

若さは力であるといっても、若い人にはぴんとこないかもしれません。中年になって記憶力がおぼつかなくなるとよく分かるようになります。若さのすばらしさは、覚えた事が身になることです。ですから若いうちに色々な事を勉強しておいて欲しいのです。

 

趣味的に覚えた知識は一生もの

特に、好きで趣味的に覚えた知識は一生のものになります。趣味でいえば、鉄道の機関車や電車の形式番号や自動車の車種名は、好きだといくらでも覚える事ができます。仕事の例でいえば、LINUXのコマンドは年をとってからではすべてを覚える事はほとんど不可能ですが、若いときに覚えてしまえばその後ずーっと使えます。私達の世代で言うと、ハードウェアでTTLのICの型番とその機能やピンの配置は、毎日半田ごてを握ってディジタル回路を組んでいた人にとっては自然とあるいは否応無く頭に入ってしまい、設計図を書かなくてもある機能の回路を作り上げることができるようになります。「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、ものを覚えるにはそのことが好きになることが一番です。これに若さが加われば「鬼に金棒」です。

 

語学は何とかなるところまでは必ずやる

もうひとつ、外国語については若いうちに「いざとなれば、なんとかなる」レベルまで勉強して身につけておいてください。技術開発を目指すのならぜひ英語を身につけてください。特に、リスニングについてはネイティブの先生について、色々な発音の英語があることを学び、とにかく聞き返してでも相手の言っていることを理解できるようになっておいてください。日本語の場合でも相手の言っている事を100%理解しながら会話しているわけではなく、これは外国語でも同じだといえます。そう思うと少しは外国語の会話も楽になります。それでも相手の言っている事を理解できないようでは話が前へ進みません。この耳を慣らす事においても若さは力になります。

 

あなたの明日のために

人としての魅力をつける

あなたが一人前の開発技術者をめざすのなら、まず人間としての魅力をつける努力をしてください。技術は一流でも人間としての魅力のない人では、部下もついていけませんし、お客様から見てもこの人に仕事を任せて大丈夫だろうかと疑問を持たれてしまいます。これは、なにも開発に限ったことではなく、世の中で通用するための条件です。人間としての魅力をつけるためには、技術の本だけでなく社会や経済の本を読み世の中の常識を身につけることが必要です。

さらに、恋愛を経験することもよいことかもしれません。そうはいっても、たくさんの恋愛をするわけにもいきませんから小説を読んで擬似体験することも良いと思います。なぜ、こんなことをいうのかというと、人間としての魅力は相手の立場に立って物事を考える事ができることにより生まれてくるものだからです。べつに、相手に迎合しろと言っているわけではなく、相手の主張を十分に理解した上で自分の主張の言うべき点はきちんと言い、実りある議論をすることが大切です。

 

先輩・後輩を含め人のつながりを大切に

また、先輩や後輩をはじめとする人間関係を大切にして、幅広く色々な人と交際することが必要です。特に、この人はすばらしい人だという人と巡り合ったら、その人の考え方や行動をよくみて学ぶことが大切です。もちろん、人間ですからすべての面ですばらしい人はそうはいません。悪い面は反面教師として学べばよいのです。この人から学ぶ習慣をつける事は、将来人事で人を評価するときに大変役に立ちます。人は、こちらがその人とのつながりを大切にしたいと思って接すれば、相手にもその気持ちは伝わるものです。システム開発のプロといわれるような技術者と知り合ったら、その人の技術的判断の根拠を聞いてみてごらんなさい。なんでもないと思われる判断の裏に隠されていることがたくさんあるものです。

 

技術は一生勉強する

さらに、しつこく言いますが、技術は一生勉強してください。技術は日夜進歩しています。技術の勉強に関してこれでいいと言う事はないのです。若い時代には自分の専門を作るために特定の分野の技術を深く掘り下げるように勉強してください。仕事が忙しく勉強の時間がとれない場合でも、かばんの中に専門の本を入れて歩き、ホームのベンチでも電車の中でもちょっとの時間を大事にして本を読む習慣を忘れないことが大切です。

 

技術開発は勉強の連続

現場を知る

技術者として開発業務に携わるということは、日々勉強を続けるということです。最初に学ばなければいけないことは、「現場を知る」ことです。ハードであれソフトであれ開発対象のシステムが使われる現場が、どういう所でどんな人がどんな仕事のやり方をしているのかを知ることです。これがなぜ大切かというと、システムを発注する人は必ずしも現場のことを知っているとは限らないからです。企業では一般的にシステムを発注する部門とそのシステムを利用する部門との間には距離があり、発注する部門は「せっかく作のだから」と色々な機能をつけたがり、利用する部門では全体から見れば限られた基本的な機能だけを利用するものなのです。このため、開発技術者としては「現場を知る」ことが極めて重要なのです。

 

 

雑学の師になれ

そして「現場を知る」ことは「雑学の師になる」ことでもあるのです。開発しようとしているシステムに本当に必要な機能は何で、その次に必要な機能は何で、あっても無くても良いが経営者に見せると喜ぶ機能は何かを技術者として判断するためには、つまらないと思われるような些細なことまで知っていることが必要なのです。また、雑学を知ることは世の中の常識を知る事でもあり、自分の専門以外の技術に対する評価にも役立ちます。

 

情報収集能力を高める

これだけ知ることが多く必要となると「情報収集能力を高める」ことが重要になります。社内のどんな人がどんなことを知っているかを知る事やどんな本を読めばいいかを知る事から始まって、社外の専門家とのパイプを作る事、さらには海外の専門家とのパイプを作ることまで自分の専門に関連して必要な情報はしっかりと集められるように努めて下さい。

 

英語力が差をつける

今の日本の状況は、残念ながらまだ世界の技術の先端情報が日本語ですべて得られるわけではありませんし、技術に対する評価も日本と海外で違っていることもあります。情報収集能力を高めるためには、英語力が差をつけますので、若い技術者はぜひ英語の力をつけて下さい。もちろん英語は読み書き話せなければなりません。現在は、インターネットを使って色々な情報を取得する事が出来ますが、英語の力次第で得られる情報に差がでます。英語が読めないようではどうしようもありませんが、読めても大量の英語の文書を読みこなせるようにならないと良い情報を得ることは難しくなります。さらに、英語で質問が書けるようなると得られる情報の質は飛躍的に高まります。そしてあなたが自分でやったことを英語で世界に発信してください。国際学会で口頭発表できるだけの実力をつけるよう、若いうちから努めてください。

 

知識習得のためには

経験する(自分の目で確かめる)

技術を身につけるためには、その技術分野の知識を修得しなければなりません。そのためにはまず自分で経験することです。日々の仕事を通じて体で覚えることです。何か前近代的に聞こえるかもしれませんが、耳学問だけでは技術は身につきません。経験することには限りがあります。その時代なり環境なりの制約があり、ある技術の一断面を垣間見る事しかできません。もちろん先輩が築き上げてきた技術発展の成果の上に、あなたは立っているのですから、昔の人から見れば最初からはるかに高度な技術に接しているわけです。それでは、経験以外の手段はなにがあるのでしょう。

 

本を読む

技術を身につけるためには、本を読む事が必須です。特に、あなたが学ぼうとしている技術分野を体系的に取り上げた本を読む事です。本には、先人の苦労と知恵がたくさん含まれています。自分の専門とする技術分野の本を読んだら、今度はその周辺技術の本を読んでください。そして、これはと思う本があったらぜひ自分のお金で買って下さい。これは、自分への投資ですから。もし、あなたが専門とする技術分野の本がほとんどないとしたら、あなたは大変幸せな事に新技術の開拓をやっていることになります。将来、あなたが本を書かなければいけなくなるのかもしれません。本当に本が見当たらなかったらどうすればいいのでしょう。

 

先輩の話を聞く(先輩の失敗を繰り返さない)

技術を身につけるためには、先輩の話をきくことです。技術者は、どんなに難しい顔をしていても技術について質問すれば親切に答えてくれるものです。人間の営みは、同じ事の繰り返しが常で、知らないと先人の失敗を再度経験しないとその先に進めません。そうならないためには、先輩から話を聞くことです。あなたが新人の時には、先輩に何を聞いてもかまいませんが、少し経験をつんだらその技術分野の本を読んで知識を増やし、質問にもちゃんと勉強している事が分かるようにしてください。さもないと、先輩から「こいつはちっとも学ぶ気がない。いくら教えても無駄だ。」と思われて相手にされなくなってしまいますから。

 

石の上にも3年

 

技術者としての専門家を作るには、最低5年、普通は10年

焦らずに自分の専門を確立する

 

これからシステム開発を目指そうとしている若き技術者の方々にお願いです。システム開発を行うためには、自分自身、自信が持てる技術をひとつは身につけていただきたい。会社に入って最初に与えられる仕事は面白くないかもしれません。私はこんなことをやるためにこの会社を選んだのではないと不満を持つことが多いと思います。それでも最低3年は最初に与えられた技術を徹底的に学んで下さい。一人の人間がある技術で一人前になるためには最低で5年、普通は10年かかります。もちろん、一つの技術を5年学んでそのあとその技術の周辺分野を学んだのでもかまいません。とにかく焦らずに自分の専門技術を確立することが大切です。

 

一つの技術の専門家になると、技術をみるセンスが身につきます。そうすると自分の専門でない技術についても技術者としての勘が働くようになります。私は、伝送系のハードウェアの研究開発を18年やったあと、伝送系のソフトウェアの研究開発を7年ほどやりました。その後は、知財や標準化の仕事をやりましたが、あくまでもベースとなる技術は伝送技術でした。ハードウェアの開発プロジェクトを管理した経験が不思議なことにソフトウェアの開発プロジェクトでも生きて、トラブルが発生したときに技術的におかしい事をきちんと指摘できました。私自身の思いとしてハードでもソフトでも技術の根っ子は同じだと感心したものです。