学会情報(2011年10月4日更新)
2011年9月21日(水)~23日(金)の日程で台北(台湾)にて開催された第13回 ASIA-PACIFIC
NETWORK OPERATIONS AND MANAGEMENT SYMPOSIUM (APNOMS 2011)の報告です。
APNOMSは電子情報通信学会ICM研究会と韓国通信学会KNOM委員会が共催する国際学会で2年に1回アジアの各地で開催されています。今回の会場NTUH International Convention Center(台大医院国際会議中心)は、国立台湾大学医学部の教育研修病院の付属施設で、かなり立派な建物でした。
登録参加者は、233名で、国別では台湾、日本、韓国、中国、アメリカ、タイ、ウズベキスタン、スエーデン、ブラジルとかなり広かったですが、人数的には台湾、日本、韓国が多かったです。今回、クラウドコンピューティングを中国語表記で「雲端運算」としてあるのを見て、なるほどなと思いました。
今回のテーマは"Managing
Clouds, Smart Network and Services"で、会議の内容は以下の通りでした。
- Keynotes:5件
- Distinguished Experts Panel:1件
- Special Sessions:8件
- Tutorials:5件
- Technical Sessions:10サブテーマ合計47件
- Short Paper Sessions:53件
- Innovation Sessions:12件
Keynoteでは、国立台湾大学学長のProf. Si-Chen Leeが、エネルギーの99.2%を輸入している台湾にとって風力発電や潮流発電は重要で、特に台湾島の東側には黒潮が安定して流れている所があるので潮力発電タービン群を海中に沈める「黒潮発電所」の研究を進めているとの話がありました。黒潮発電所は日本でも可能かとの質問がありましたが、日本では黒潮の流れが安定しているところがないので無理であるとの回答でした。
日本からのKeynote
Speakerとして、慶応大学の青山友紀教授が招かれ「ICTパラダイムシフトへむけたクラウドコンピューティングと新世代ネットワーク」と題して、インタークラウドコンピューティングの重要性を強調していました。
Kuroshio
Power Plants -A Turbine-Cluster-
出典:Si-Chen Lee, Energy Situation and Perspective in Taiwan, Symposium
on the Global Energy Future, Washington University in St. Louis, October 3,
2010.
Special Sessionでは、クラウドコンピューティングやネットワークセキュリティなどの話がありました。ネットワークストレージの話の中で、省エネのために使わない時には回転を止めるspin-down discのことが新鮮に感じました。
Tutorialでは、5件中3件が日本からの東日本大震災に関する発表で、通信設備をいかに復旧させたか、通信に関する土木設備の耐震性がいかに重要か、耐災害性を持つ社会を作るためには何が必要かということが話され、聴衆の注目を集めていました。
Technical Sessionの47件の論文は、151件の投稿の中から査読を通ったもので、採択率は31%と大変厳しいものでした。発表された内容は、クラウドコンピューティングのモニタリング、仮想網・IP網・移動体通信網管理から既存のテレコムのOSSをNGOSSに準拠したものへ移行させる手法に関するものまで多岐にわたりました。
Short Paper Sessionは論文採録に落ちたものの中から、優秀なものをA4で4ページにまとめ直したものをPoster Sessionの形で休憩時間に発表するもので、発表者が現れないこともありました。
Innovation Sessionは論文査読の対象にはなりませんが、国際会議での発表の機会を与えるもので、国際会議への登竜門として若手研究者には貴重なものです。発表は、A4ページの上半分をスライド、下半分を説明文とする形式で20枚以内の発表資料を作り、口頭発表の場が与えられるものです。発表内容は、学術的なものでなくてもかまわないのでテストベッドを作ったプラクティスの報告やIPTV STBのファームの遠隔更新方法の紹介などがありました。
Distinguished Experts PanelはAPNOMSの最後のSessionで、国立台湾大学のProf.
Fei-Pei Laiがチェアで、5名のオペレーションの専門家が各々の意見を短く述べた後、フロアからの質問に答える形で進められました。聞いてみての感想は、オペレーションが観念論で語られていて、まだ次の時代のオペレーションを具現化する段階にはないと感じました。
国際会議場の前に立てられたAPNOMS 2011の看板
国際会議場の中の様子
国際会議場の近くの中山南路の交差点の真ん中から北方向を撮りました
上の写真を撮った交差点から撮った国際会議場(奥の建物)
