学会情報 2014年9月 APNOMS 2014 報告

学会情報(2014年10月2日更新)

 

2014年9月17日(水)~19日(金)の日程で、台湾新竹市にて開催された第16回 ASIA-PACIFIC NETWORK OPERATIONS AND MANAGEMENT SYMPOSIUM (APNOMS 2014)の報告です。

 

APNOMSは電子情報通信学会ICM研究会と韓国通信学会KNOM委員会が共催する国際学会で毎年アジアの各地で開催されています。今回の会場は、台湾のシリコンバレーといわれている新竹市の国立交通大学(National Chiao Tung University)の光復キャンパスにあるMicroelectronics and Information Systems Research Centerでした。

登録参加者は、日本、韓国、台湾を中心に、中国、アメリカ、カナダ、インドなどからの184名でした。今回のテーマは"Integrated Management of Software Defined Infrastructure"で、会議の内容は以下の通りでした。

  Keynotes:5件

  Distinguished Experts Panel:1件

  Special Sessions:8件

    Tutorials:4件

  Technical Sessions:10サブテーマ合計41件

  Poster Sessions:67件

    Innovation Sessions:8件

 

Keynoteでは、Aerospace CorporationのDr. Joe Betserが"Big Data on Clouds - The Soft Stuff is the Hard Stuff"と題してソフトの人材育成が大切であると述べていました。NTTコミュニケーションズの大井貴氏は、「クラウドベースのネットワークでNFVはユーザにとってもキャリアにとっても有効な手段になる。」と述べていました。

 

Special Session 1のテーマは、Management of Disaster Response Networksで、台湾から2件、日本(NICT)と韓国から1件ずつの発表がありましたが、いずれも無線のad hocネットワークを使うという内容でした。Special Session 2のテーマは、Practical Approach for Virtualized/Software-Defined Networks Managementで、日本から2件(NTT COM、NEC)、台湾と韓国から各1件の発表がありました。NFVについては管理上解決しなければならない課題が山積していると感じました。

 

Tutorialでは、Mr. Lim Wong (Cisco Systems, Inc. Hong Kong)が"Offering SDN services with Evolved IP/MPLS Network"と題してMPLSからSDNにマイグレーションする方策について述べていました。また、Dr. Keisuke Ishibashi (NTT Network Technology Laboratories, Japan)の"Proactive Network Operation through Network Data Analytics"は、実現できれば面白そうに感じました。

 

Technical Sessionの41件の論文は、採択率が29%と大変厳しい査読を通ったもので、発表された内容は広い範囲の管理の話でした。学会のクロージングで発表されたBest Paper Awardに輝いた以下の4件の発表分野である無線ネットワーク、ネットワーク仮想化に注目が集まりました。

 

・PowerGuide: Accurate Wi-Fi Power Estimator for Smartphones. Jian Li, James Hong (POSTECH, Korea), Jin Xiao (IBM T. J. Watson Research Center, USA), Heni Azzouz (Higher School of Communication of Tunis, Tunisia), Raouf Boutaba (University of Waterloo, Canada)

・Application Dependency Tracing for Message Oriented Middleware. Li-Juin Wu, Hong-Wei Li, Yu-Jui Cheng, Yu-Sung Wu (National Chiao Tung University, Taiwan), Houcheng Lin (Industrial Technology Research Institute, Taiwan)

・MORSA: A Multi-objective Resource Scheduling Algorithm for NFV Infrastructure. Masahiro Yoshida, Wenyu Shen, Taichi Kawabata, Kenji Minato, Wataru Imajuku (Nippon Telegraph and Telephone Corporation, Japan)

・Multi-layer fault diagnosis method in the Network Virtualization Environment. Congxian Yan,

Ying Wang, Xuesong Qiu, Wenjing Li, Lu Guan (Beijing University of Posts and Telecommunications, China)

 

Technical Sessionの41件のなかで私が聞いて良かったと思ったのは

・vConductor; An NFV Management Solution for Realizing End-to-End Virtual Network Services. Wenyu Shen, Masahiro Yoshida, Taichi Kawabata, Wataru Imajuku (Nippon Telegraph and Telephone Corporation, Japan)

で、NFVのネットワーク適用に関してSDHの接続モデルとSIDを使っている点を評価できると思いました。

 

Poster Sessionは論文採録に落ちたものの中から、優秀なものをA4で4ページにまとめ直したものを休憩時間に発表するもので、今年は67件の発表のうち発表者が会場に現れなかった no show は8件でした。

 

Innovation Sessionは論文査読の対象にはなりませんが、国際会議での発表の機会を与えるもので、国際会議への登竜門として若手研究者には貴重なものです。発表は、A4ページの上半分をスライド、下半分を説明文とする形式で20枚以内の発表資料を作り、口頭発表の場が与えられるものです。今回は、アーキテクチャ・メソッドおよび技術、ネットワークおよびサービス管理の2分野の発表がありました。

 

Distinguished Experts Panelは通常はAPNOMSの最後のSessionですが、今回は2日目の最後の時間に組まれていました。Dr. Fuchun Joseph Lin (National Chiao Tung University, Taiwan)がチェアで、今回の会議のテーマ"Integrated Management of Software Defined Infrastructure"に関して4名の専門家が各々の意見を短く述べた後、フロアからの質問に答える形で進められました。聞いてみての感想は、前回のときにも思いましたが、仮想化と管理はまだ結びつかないというものでした。

 

来年の第17回APNOMS 2015は、2015年8月19日~21日の日程で韓国の釜山で開かれますので、興味をお持ちの方はぜひご参加下さい。

 

 

台湾新幹線が高鐵新竹駅を出て行くところ

 

 

在来線の新竹駅は風情のある佇まいです

 

 

会議場の前のAPNOMS 2014の看板

 

 

国立交通大学のMicroelectronics and Information Systems Research Center

 

 

Distinguished Experts Panelの様子

 

 

バンケットの余興は交通大学の学生バンドの台湾伝統楽器の演奏

 

 

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電子情報通信学会 情報通信マネジメント研究会

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