見えない物には意見は言えない
開発技術は、現場は急には変わらないことを認識しておいて欲しいと思います。技術者がいろいろな新しいものを考えて、その新しいものを現場に導入しても、使う側の立場の人間というのはそう簡単には変わりません。「こう言う新しいシステムを作ろうとしていて、今なら現場の皆さんの意見を反映できますが、何か意見はありませんか?」と、その新しいシステムが将来導入される現場の人々に問いかけても、出てくる意見は、今あるシステムのあそこが悪いから直して欲しい、次のシステムではこういうことが起きないようにして欲しいという既存のシステムへの意見だけです。新しいシステムはどうですかと言われても、そんなもの見たこともないから意見は言えないということです。
これは、一般的にシステムの運用をしている人からみれば、そもそもそのシステムがどういう思想でつくられているかなんていうことは関係なく、これちゃんと面倒見ろよと言われて、こうやれば動くのか、このボタンを押せば壊れたときもリセットがかかるのか、そういうことだけしかわからないわけです。
開発者の思いもしない使い方をする
そうすると、現場の皆さんは開発者の思いもしない使い方をします。これはハードもそうですし、ソフトもそうです。これは非常におもしろくて、ソフトの場合に設計する人と試験する人とを分けてやると、設計する人は自分の頭で考えてテストのデータを作る。そうすると、そのときは自分が設計したのだから、自分で試験データを作る分にはちゃんと通る。ところが、作った人と全然違う人が試験をやると、とんでもないデータを入れる。そうすると、突然バグが出る。何で出たの、いやパラメータチェックが甘かったのだ、「まさかそんな値を入れるとは思わなかったと。」そういう言い方なのです。
これはハードウェアでもそういうことは当然ありますし、ソフトウェアでも起きてくるということで、そのときに開発する側としては弁解をしてはいけなくて、確かに我々の設計に漏れていたところがありましたということになります。
システムを使いこなせるようになると次の要求がでる
それから、急には変わらないのですが、システムを使いこなせるようになると次はこうして欲しいという話が出てきます。ですから、顧客の潜在ニーズというものをいかに早くつかんで、今のシステムに対して次の要求は、当然こういうものが出てくるであろうということが予測できるようになると大分違ってきます。
