人間はミスをする
技術開発を進める上での大事な前提といいますか、私がこれは非常に大事だと思っていることを書きます。人間はミスをします。技術は進歩します。仕事のやり方は変わります。当然当たり前のことです。そうすると、開発にある程度時間がかかるということを考えれば、明日のシステムを今日設計しているのですから、そこにはやはり技術者としての読みが必要になります。
特に、この人間はミスをするという部分は、システムは設計者の思いもよらぬ使われ方をするという部分にも関わってきます。ネットワークマネジメントシステムを設計しようとするときに何を考えるかというと、オペレーターミスで事故が起きましたという話が出てきたとしたら、私はオペレーターミスではなくて設計者が悪いと考えます。
当然オペレーターだって悪意を持ってやるわけではありません。大体故障の回復のときには関係する皆さんは焦っていますから普段ならやらないようなこともやってしまうことが起きます。ですから、ミスは、人間が平常心であれば起きないのでしょうけれども、故障が起きて舞い上がってしまうと、当然ミスが出てきます。そういうミスがあるということを前提にシステムは考えていかなければならないと思います。
技術は進歩する
技術の変化というのは、これは技術者としての読みの問題になります。ですから、作ったシステムが何年使われるかでその読みの深さがわかります。これは自慢話に聞こえてしまうのですが、私が20年前に開発に関わった通信システムの設計のコンセプトは、今でも十分通用すると思っています。作ったときは5年ぐらい通用するかなと思ったのですけれども、システムコンセプトは今の世の中で見ても決して古くないと思っています。
仕事のやり方は変化する
仕事のやり方は変化する。むしろ変化させるためにシステムを導入すると言ったほうがよいかもしれません。人が介在する仕事のやり方から、コンピュータに任せるやり方に変化する。各拠点でやっていた仕事を一箇所で集中してやる。
こういった仕事のやり方の変化は、次々に起きてきます。これに対する技術者の読みは、究極の仕事のやり方をどう想像するかにかかり、技術以外の人間の行動に関する思索も必要になります。
以上に述べた3点を考えると、システム開発とは「明日のシステムを今日設計する」ということになります。
