実現可能なぎりぎりの目標を設定する
システムの仕様を決めるにはどんなところに気をつけていけばよいか。
ここら辺が、そのシステムがいいものになるかどうかという一つのポイントになると思います。
そのためには、実現可能なぎりぎりの目標を設定することが大切です。
簡単に達成できるような目標ではやはり達成感が得られませんし、また、実現不可能な目標をつくったら、それはやった結果として失敗するわけですから、それではだめです。
この実現可能なぎりぎりというところをどうやって設定するかが技術者として腕の見せ所になります。
これは、私自身はシステムの発注側の開発技術者でしたから、メーカーの技術者の方々に仕事をお願いするときに、最初に「こういう仕様でやりましょう」と言うと、「そんなばかな」、「そんことはできません」と言われる。ところが、やった結果として、「やればできるものですね」と言われる。
そういう技術的にかなりチャレンジャブルだけれども達成可能、そういう目標の設定、これが非常に大切だと思います。
技術的に実現可能なことと実際に実現してよいことを見極める
その次には、これは反語的になるのですが、技術的に実現可能なことと実際に実現してよいことを見極める。
これは技術だから何でもできる。
最近はいろいろ倫理的な問題、社会に与えるいろいろな影響ということで、技術的にできれば何でもやればいいというものではないということがかなり認識されてきていますが、社会に容認されるといいますか、受け入れられるものにするためには、やはりこの辺の見極めというのが一つ必要です。
デジタル化ということで言いますと、音声のデジタル化に関してはDATという、デジタル・オーディオ・テープというのが、今から見ると随分昔に技術としてはできていました。
ただ、それは著作権の問題にひっかかってなかなかうまくいかなかったという例が挙げられます。
システムに適用する要素技術のバランスをとる
それから、システムに適用する要素技術のバランスをとる。
これが結構難しいことで、どこか技術的に先端的なところも必要なのですが、全体としてはバランスがとれていることが必要です。
これは今の技術、あるいは今から一、二年後の技術で実現したときの性能が一番出るようなバランスをとるということです。
このバランスをとるということはかなり広い知識を持ってないとうまくいきません。
バランスのとれてないシステムは、要素技術の中の一番レベルが低い技術の性能がボトルネックになって全体の性能が落ちてしまいます。
そういうことに気をつけて仕様を決めることが必要だと思います。
